年上なのに、翻弄されて
つい追いかけて,皆と1m離れた所で止まる。

蓮は青と緑を混ぜた色の海パンに,薄い白色の羽織を羽織っていて,真田くんは赤,達也は青の海パンをはいている。

1度俯いて顔をあげると,バッチリ蓮と目が合った。

ぅ,わ……や,やだ……っ!

誰に見られるよりも,蓮に見られるのが一番恥ずかしい。



「あ,あんまりっ,見な,いで……」



カァーッと耳まで一気に朱に染まって,それに気付いて更に羞恥心が煽られる。

それをみた達也と蓮は同時に目を見開いた。



「蓮,ぼーっとしてると私が行くよ?」

「言わなくても分かってるよ? 沙羅,呉羽はだめ」



沙羅ちゃんがうずうずしながらもイタズラっぽくなにかを言うと,蓮もそれに答え,私のところに走ってくる。



「えっ? あっ,来ないで……!」
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