不良彼氏とマジメ彼女
悩んだ末に、紗英は倒れ込む不良のもとへ。


「あ、あの…」

「あぁ!?」

ビクッ

「ご、ごめんなさい!!こ、これ…どうぞ…!!」

そう言ってダッシュする紗英。
紗英が渡したのは、ハンカチと絆創膏だった。

「今の子…確か…」

「お、おい!!待てよ!!」

普段端から見たら怖い人たちに囲まれていても、仲良く暮らしている紗英は、さっき怒鳴られたことが怖かった。

バレたらどうしよう…。
不安で涙がこぼれてしまった。

それを見て驚く不良。

「え!ちょ…」

「ごめ…ごめんなさい…」

「何で謝ってんだ?お前別に謝るような事してねぇだろーが。」

「で、でも…余計なことしちゃったかな…って…」

「藤谷さん…だよな?同じクラスの。…俺は竹本将平。これありがとな。けどハンカチは使えねーわ。血ついちまうし。」

「だめだよ!ちゃんと止血しなきゃ!」

「いやでも…。」

「か、かして??」

「…ん。」


すこし怖がりながらも将平の手当てをする紗英。

「これで、大丈夫…。」

「ありがと。」

「ううん…。」
< 7 / 8 >

この作品をシェア

pagetop