バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「緑川さん、ビールでいいですか?」
あまり飲まないけど、休み前だし、いいか、たまには・・・
「そうですね、明日は休みですし、じゃあ、お願いします」
「突然、お誘いしてすみませんでした。ゆっくりとお話したくて」
「私みたいな仕事人間と話しても面白くないですよ。赤星さんならもっと若くて可愛い女性が寄って来るでしょうに」
「僕はそういう人には興味が無くて・・・」
赤星さんはぐっとビールを飲んで
「緑川さん、いつも絡まれてますよね」
「はぁ、赤星さんにはお恥ずかしいところばかり見られてますね」
「声をかけたくなる、同じ男性だからよくわかりますよ」
「いえ、そんな・・・」

いつも笑顔で、声も話し方も心地いい。
何歳なんだろう?
「赤星さん、失礼ですけど、おいくつですか?」
「28です」
「そうですか。うちの景山、あ、直属の部下と同じくらいですね。すごくしっかりされていますね」
「そうでもないですよ。緑川さんの前なのでかっこよく見せています」
赤星さんの爽やかさからか、褒め方が他の男性に言われているのと違って、嫌な感じがしない。
少しくすぐったい感じがする。

「お仕事遅いんですね。いつもこんな時間ですか?」
「まぁ、遅くなることは多いですね。資料のチェックも多いですし、中途採用と新卒も重なって、その中で急な相談が多いので」
「中途採用も募集かけてるんですか?」
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