バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「私も営業の途中で、次のアポイントとの間だったんですよ」
端正な顔立ちは、二重のシャープな目元が爽やかで、笑顔は好感度が高い。
物腰柔らかく、垢抜けしてて、営業マンって感じがする。

「綺麗な人は大変ですね、声を掛けたくなる気持ち、わかりますよ」
「いえ、そんなこと・・・」
「でも、相手によっては大変なことになりますから、これからは気をつけないといけませんよ」
「えぇ・・・確かにそうですね。気をつけます。」

確かにそうだ。
こんな優しい人でなければ、大変なことになっていたかもしれない。
考えるとぞっとした。
「あっ、そろそろ私、次のアポイントがありますので、これで失礼します」
「本当に申し訳ありませんでした」
「気にしないでください。またお会いするかもしれませんね。では、ご馳走様でした」

彼は笑顔を私に向けて、店を出て行った。
私の汚点ですから、会いたくないです・・・
彼、きっと私よりも若い。
景山くんくらいじゃないかな。
彼みたいな営業マンが、応募してくれたらいいのに。
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