バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「それは、頑張った甲斐があります。部下の景山さんでしたっけ、いいですね。優秀そうで」
「えぇ、私が考えていることを察知してくれますし、勉強熱心で真面目で、優しいのに、私にだけ毒舌で、それに、」
「景山さんの優秀さはよくわかりました。それ以上聞くと嫉妬しますから」
「えっ?」
「では、また後で」
怒ってる・・・の?
嫉妬ってどういうこと?

それからの会議も核となる話を議論していた。
私は、合間を見て、景山くんと気になったところ、解釈が必要なところの話をした。
体を寄せて静かに話をして、顔を上げると、赤星さんがこちらを見ているように思えた。
「嫉妬」という言葉がどこか気になってしまったからだろう。
私の気にしすぎだよね・・・

「じゃあ、次の会議ですが、来月となります。詳細は後ほどご案内致します。お疲れ様でした」
会議は無事終わり、景山くんと会議室を片付けていた。

「景山くん、こっちの椅子片付けるから、ちょっと来て」
景山くんが来てくれて、椅子を取りに行こうとした時、コードがあるのに気づかず、引っかかり倒れそうになった。
「わっ、危ないじゃないですか」
前にいた景山くんに突っ込む形になって、景山くんが私を支えながら、自分が後ろに倒れるのを必死で耐えていた。
「緑川さん、気をつけてくださいよ」
「ごめん!大丈夫?」
「僕は大丈夫ですけど、こんなところ他の人に見られたら、僕、無事で帰れないし、明日から机に何かいたずらされるじゃないですか。緑川さんの隠れファンの人に・・・」
「何言ってるのよ。よし、もう少しだから」
2人で急いで片付けを終わらせた。
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