バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
【恋のプロジェクト 行動】
藤井さんが自己都合で退職し、経理部の管理業務も私で見ることになり、より一層忙しい毎日が続いた。
「景山くん、経理部の管理職の募集は何件か来てるけど、営業部の応募者の話、どうなってる?」
「書類選考で営業部に回してるんですけど、なかなかですね」
「そう、違う人材会社にも声掛けようか」
いいと思った応募者も条件がいいところに行ってしまう。
これは苦戦するかな・・・

「緑川くん、部長は?」
「今、会議に出てまして、30分くらいで戻ると思います」
「そう、じゃあ、緑川くん先に来て」
社長に呼ばれて、社長室に向かった。
「失礼します」
部屋に入ると、社長の向かい側に赤星さんと上長らしき人が座っていた。
赤星さんは私を見てにこにこしている。
「三田さん、彼女が当社初の女性管理職で人事課長の緑川です。緑川くん、こちらは光先商事の三田専務と赤星くんだ」
「いつもお世話になります、人事課長の緑川です。宜しくお願い致します」

「話せば長くなるんだが・・・うちの営業部を強くしたいって話をずっと三田専務には相談していたんだよ。応募してもなかなかだしね」
確かに、今回の募集はかなり苦戦している。

「役員や管理職が光先商事さんからうちに来てもらうことは今までにあったから、プロジェクトが始まって、もっと円滑に進めるために、赤星くんが是非うちに来たいって、申出てくれたんだ。従業員では今まで無かったけど、三田専務が承諾してくれたんだ」
「赤星くんは若いけど優秀だし、人柄も保証できる。反対していたが、赤星くんの熱意に負けてね。まぁ、赤星くんならきっと、これからうちと御社の発展に力になってくれると思ってね」

突然の話で、びっくりして私は瞬きするしかなかった。
「まぁ、こういう形の採用だから、うちに来てからでも、引き継ぎしてもらっても良いということになっていて、早々に来てもらうようにしたいから、宜しく頼むよ」
「緑川さん、うちの赤星をお願いしますね」
「は、はい」
「じゃあ、来週からうちに来てもらうから、入社の手続きとかは宜しく頼むよ」
「わかりました。では失礼します」
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