バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
心配でメッセージを送ったが、返事はない。
「事故でもあったんじゃ・・・」
何かあれば、会社から連絡があるだろうけど、もし、誰も気づかないところで何かあれば・・・

気持ちが落ち着かず、狼狽えながら、今度は電話をかけてみた。
やっぱりでない・・・
そう思って切りかけた時
「もしもし・・・緑川さん・・・」
「赤星くん？大丈夫なの？」
「どうしたんですか、そんなに慌てて・・・えっ！もうこんな時間じゃないですか」
「良かった、何かあったのかと思って」
「すみません、疲れて眠ってしまったようです。でも、心配してくれたんですね」
「いつも連絡くれていたから・・・やっぱりね・・・」
「嬉しい・・・緑川さんが僕のことを心配してくれたなら」
「従業員が何かあったらいけないからね」
「本当にそれだけですか？」

その問いに一瞬、私は自分に問いかけた。
本当は何故なの？
「そ、そうよ」
「そうですか、それは残念。でも電話取らなかったら、どうしてましたか？」
「どうしてたかって・・・」
「家にきてくれたら嬉しいけど、でもそうしたら、僕が普通ではいられないから、やっぱりダメですねえ」
「な、何言ってるのよ、もう」

ここ最近、当たり前の習慣になっていたから、思わなかった。
毎日交わす、何気ない電話の会話やメールが、私の日常生活の一部になっていた。
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