バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
赤星くんは、大通りから外れて、車を走らせた。
「あ、あそこ行きましょう」
そこは、ウッド調の落ち着いたカフェだった。
「いい雰囲気ね」
2人は車を降り、入口へと向かった。

「緑川さん、これ見てください」
表に立てかけてあるスタンド黒板には、メニューとは別に
「本日は、恋人Day!カップルにパフェを1つ無料でプレゼント!」
と書かれていた。
「緑川さん、カップルのふりしてくださいよ」
赤星くんは、そういいながらドアを開けた。
「ちょ、ちょっと待ってよ」
カップルって・・・

「いらっしゃいませ」
お店の人に声をかけられて、困った私は赤星くんの少し後ろに立っていた。
「お客様は、恋人同士でいらっしゃいますか?」
「はい、そうです」
「では、パフェをプレゼント致します。ただ、証明として、彼女の頬にキスをしてください」

ちょっと待って!ちょっと待ってよ・・・
頬にキスって、赤星くん、どうするのよ!
私がひきつった顔で赤星くんを見ると、全く動じずに
「あっ、すみません、僕達、付き合ったばっかりで、その・・・そういうの凄くタイミングを大切にしたいんです。これではダメですか?」
そういいながら、私の肩を抱き寄せた。
「まぁ・・・そうですよね、失礼しました。大丈夫です。席をご案内します」
お店の人が私達を席に案内してくれた。
「緑川さん、すみません、無料に飛びついちゃいました」
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