バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される

「仲良さそうだったから。今日も相田さんと腕組んでたし」
「腕組まれてた、です。それで、その話を本気で信じたってことなんですね」
「うん・・・」

しばらく黙っていた赤星くんが
「緑川さん、僕の目を見て下さい」
私はまともに顔を見れない。
「見て下さい、僕のこと」
私はゆっくりと顔を上げ、赤星くんの目を見つめた。

私のまだ乾ききってない髪をかき上げながら、静かに話し始めた。
「なぜ、その言葉を聞いて、あんなに怒ったんですか？」
「それは・・・」
「嫉妬・・・してくれたんですか？」
私の耳元でささやくようにつぶやく。
体がぞくっとした。
「・・・違う」
「違うんですか？僕がからかってると思って、怒っただけですか？」
「・・・違う」
「じゃあ、どうしてですか。ちゃんと言わないとわからないですよ」

わかっている、いつの間にかあなたを好きになっていたことを。
だから、相田さんに嫉妬した。
遊びだって知って、ショックだった・・・

じっと見つめらる赤星くんから、目が離せない。
「緑川さん、僕の言葉だけを信じてください。僕は出逢ったあの日から、緑川さんのことが大好きです」
赤星くんは、真っ直ぐに私を見つめる。
真剣な眼差しだった。
「少しでも顔が見たい」
赤星くんは、指で私の髪を梳く。
「少しでも声が聞きたい」
私の手を取り、握り締める。
「少しでも僕を見て欲しい」
もう片方の手で、私の頬を撫でる。