バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される

【最強元カレの帰国に波乱が巻き起こる】

秋を感じる季節になり、営業プロジェクトも本格的に始動し始めた。

「ようやくここまで進みましたね」
プロジェクト会議が終わり、拓真がプロジェクターを片付けながらかけた言葉に、吉本さんも少しほっとしているようだった。

私と景山くんも片付けを始めようとした時、吉本さんの携帯がなった。
「はい、吉本です。えぇ、・・・えっ、二海堂が？すぐに受付まで行くよ」
その言葉に私も、景山くんも手が止まって吉本さんを見つめた。

「二海堂が帰国してて、今、受付に来ているって。僕が迎えに行ってくるよ」
吉本さんが衛を迎えに会議室を出た。

「衛かぁ、2年ぶりだわ。あ、赤星くん、二階堂くんてね、」
「知ってますよ。僕が光先にいた頃、青羽の優秀な営業マンで有名でしたからね」
「そうなんだね。同期としては鼻が高いわ」
「同期だからってだけですか？」
「えっ？」
拓真の目が冷たい。

「こんにちは。よっ、奈織、久しぶり！景山くんも」
「衛！久しぶりだね」
「奈織、相変わらず綺麗だよな」
「やめてよね、恥ずかしいから」
「ご無沙汰しています。二海堂さん」
「景山くんは相変わらずクールだね。奈織にこき使われているんじゃないの？」
「はい、2年前から変わっていません」
「ははっ、そうだろうなぁ。でも、奈織の部下が景山くんで安心だよ」

衛は、私と景山くんに声をかけた後、拓真に気づいた。
「君は・・・どこかで会った気がするけど・・・」
「あぁ、彼は光先商事からうちに来てもらった、赤星くんだ」
吉本さんが拓真を紹介してくれた。
「赤星です。僕は光先で二海堂さんを何度かお見かけしました」