バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「私も、昼間、衛に時間取られたし、明日も来るそうだから時間取られそうだし、明後日は出張でしょ。行かずに仕事するわ」
「でも、しばらく会えないかもしれないし・・・」
「また会えるよ。取りあえず、今日、予定してた分進めないとね」

突然の拓真の行動に、つい感情的になってしまった。
あとで、電話して謝らないと。
その前に取りあえず、この書類、片付けないとね・・・

すっかり遅くなり、家に着いたら22時になっていた。
「拓真に連絡しないと・・・」
コールは鳴っているけど、電話にでない。
「寝てるのかなぁ。それとも叩いたこと、怒ってるかな・・・」
私はメッセージだけ入れて、お風呂に入った。
「拓真、自分の立場のことだけ考えて感情的になって、叩いたりひどいことも言ってごめんね。おやすみ」

お風呂から出ると、拓真から返信があった。
「奈織さんのこと考えず、僕が悪かったです。すみません、おやすみなさい」
拓真。ごめんね、きつく言って・・・

夜、ホットレモンを飲みながら、衛に頼まれていたことを調べていた。
衛、変わってないなぁ。
CEOまでになるなんて、やっぱり私が認めた人だけある。
衛とは同期で色々な悩みがあっても、2人で支えあってきた。
私のこともよく理解している。
仕事でも息が合い、いつの間にか休みの日も遊ぶようになり、自然と付き合っていた。
恋人というよりは、パートナー的で大切な存在だった。
「ほんと懐かしい」
思い出にふけながら、PCに向かっていた。
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