バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「うん、話したよ。お母さん、大喜びしてた。私はきっと仕事一筋だろうと思ってたって」
「実感が湧かなかったんですが、急に緊張してきました」
そういいながらも、拓真は嬉しそうな顔をしていた。

「緊張しない方なんですけど、心臓バクバクです」
車を降りて歩いている拓真は、手と足が一緒になるんじゃないかってくらい緊張していて、吹き出しそうになった。

玄関を開けると、お母さんが出迎えてくれた。
「お帰り、奈織」
「ただいま、お母さん。紹介するね。私の彼で、赤星拓真さん」
「初めまして。宜しくお願いします!」
「こちらこそ、こんな娘ですけど、宜しくお願いしますね。赤星さん、凄くかっこいいわね。私もね、こう見えても若い頃は、」
「お母さん、もういいから・・・あ、これ頼まれてたやつね」
そう言って、旅行会社の封筒を渡した。
「お父さんは?」
「奥にいるわよ」
奥に行くとお父さんが居間に座っていた。
「お父さん、ただいま。私の彼で、赤星拓真さん」
「初めまして。宜しくお願いします」
さっきよりも、かなり緊張している。
でも、うちのお父さんは・・・

「やぁ、良く来たね。ようやく彼氏を連れてきてくれて嬉しいよ。さぁ、こっちへどうぞ」
「お父さん、ごめん、今日は挨拶だけに来たの。また今度ゆっくりくるから」
「えー、今日は楽しみにしてたのに・・・」
お父さんは、見た目はキリッとして話しかけずらく見えるが、話出すと長い。
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