バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される

「一瞬で惹かれました。容姿だけではなく、奈織さんが醸し出すオーラはとても魅力的でした。それからも色々あったけど、今日、一緒に過ごせたこと、嬉しいです。奈織さんと僕の名前のクリスマスカラーですから」

そう言いながらポケットから出したのは、緑のリボンがかかった赤い小さな箱だった。
拓真がリボンを外し、赤い箱を開けると、そこに入っていたのは指輪だった。

「結婚指輪の前に、僕の気持ちをずっと傍で感じてほしいんです」
そう言って、私の左手を持ち、薬指にそっとはめてくれた。
ぴったりだ。
もしかしてこの間お店で測ったのは・・・
その指輪はダイヤで星の形になるようなデザインだった。

「奈織さん、これで僕から離れられないですね」
拓真は満面な笑みで私を見た。
「ありがとう」
私は一言伝えて、拓真に抱きついた。
こんな幸せが待っているなんて。
涙が溢れ出す。
「じゃあ、奈織さん、僕へのプレゼントはわかってますよね」
「えっ？」
「今日の夜は、奈織さんにリボン巻いて、僕に下さい」
「も～、恥ずかしいでしょ」
私達は笑いながら、人目も気にせず抱きしめ合った。