バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
【一歩前に進むためには強引に】
「緑川さん、さっき設計課の正木さんが、緑川さんを探してましたよ」
「ありがとう。連絡してみるね」

この後、急遽従業員からの相談が2件あるし、予定していた業務が進みそうにないわね。
今日も遅くなりそうだなぁ。

その時、会社の携帯にショートメールが入った。
珍しいなぁ、ショートメール入るの。
誰だろう。

今、社内ではチャットアプリで連絡している。
外部の人には会社の携帯番号はよっぽどでないと教えないし。
ショートメールを開いて見た。

「赤星です。せっかくのご縁ですので、今日お茶でもいかがですか?19時に先日のカフェの前でお待ちしています」
あれ?名刺には携帯番号書いてないはず・・・
あっ、もしかして、昨日慌てて番号が書いてある名刺の方を渡してしまったのかも。

「お世話になります。今日は遅くなりそうですので、またの機会にお願い致します」
「遅れても大丈夫です。ずっと待ってます」
この手の誘いがあったら、断るか無視するんだけど、赤星さんの誘いを断るのは、気が引ける。
でも、19時は厳しいわね。
「せっかくのお誘いを申し訳ありません」
それだけ返事を送信したが、その後、赤星さんからのメッセージは来なかった。
< 8 / 89 >

この作品をシェア

pagetop