バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「赤星さん、お邪魔します。あっ、一真くん、大きくなったね」
一真は手を広げて、拓真の腕から景山くんのところに行こうとした。
「一真、やっぱりわかるんだね。いい人だって」
景山くんはぎこちないけど、一真を抱っこしてあやしていた。

しばらくすると、一真は景山くんの腕の中で気持ち良さそうに寝てしまった。
ベビーベッドに寝かせて、3人でテーブルを囲んで、拓真が買って来てくれたお寿司を食べ始めた。
「緑川さん、お話って」
「実はね・・・」
社長の話をそのまま景山くんに話しをした。
「別に無理に付き合うってことじゃないの。お見合いってわけじゃないけど、会って欲しいの」
「まぁ、社長の話を断るのも気まずいですから、いいですけど、会ってからなら断ってもいいですよね」
「うん、それはお互いのことだから。社長にもそう伝えてる」
「わかりました」
「次の土曜日予定しててね。私が景山くんに付き合うから」
「じゃあ、僕も・・・」
「拓真は一真と留守番ね」
「え~」
拓真が拗ねる。どっちが子供なんだか。

次の土曜日、ホテルのレストランで待ち合わせをした。
「緑川くん、景山くん、お待たせ」
「社長、おはようございます。青羽さんもお久しぶりです」
「ご無沙汰しています。今日は久々にお会いできると聞いて楽しみにして来ました」
「私達もですよ」
私は肘で景山くんをつつき、挨拶を促した。
「お久しぶりです」
「景山さんもご無沙汰しています」
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