バリキャリ課長の年上彼女は、一途な彼に翻弄される
「緑川さんはとても素敵な人と出逢いました。偶然の出会いから、一瞬で恋に落ちた旦那さんです。あなたにも、そういう人生が待っているかもしれないのに、あんな最低男のことで幸せな時間を無駄にするなんて」
気持ちはわかる。
自分にも言い聞かせるように青羽さんに伝えた。

彼女は涙を流しながら、クスっと笑い
「景山さんがそんなに言ってくれたら、何だかすっきりします。そうですよね。きっと素敵な人、いますよね」

清楚な彼女の顔がほころび、屈託なく笑う姿は、とても愛らしかった。
「久々に男の人と心を許して話すことができました」
「僕で良ければ、いつでも声掛けてください」
「いいんですか?嬉しいです。是非またお話させてください」
「えぇ、こちらこそ」
僕は青羽さんに連絡先を伝えた。

今なら赤星さんの気持ちがわかる。
一瞬で恋に落ちるという意味が・・・
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【景山くんの恋の始動 〜奈織】

あれから2ヶ月。
私は相変わらず、ママと妻と課長をこなしている。
昼休みに景山くんとすれ違うと、携帯を見て微笑んでいた。
「景山くん、最近明るいね」
「そうですね。今度の土曜日は青羽さんと映画に行くので浮かれてます」
「青羽さんね・・・本当は何て呼んでるの?」
「・・・」
「いいなさいよ!上司命令よ」
「理不尽な。青羽さんですよ」
「えっ?」
「ま、まだ彼女じゃないですよ」
「何でなの?まだ告白してないの?」
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