絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
 ロベルトさんの協力もあって、お洗濯は予定よりずっと早く終わった。
 一息ついた私は、ロベルトさんがお土産に持ってきてくれた近所のお菓子屋さんのクッキーを並べる。イラリオさんは愛馬の世話をしに行った。

「ロベルトさんって本当にレオと仲良しですねー」

 クッキーを頬張りながら、私はしみじみと呟く。ロベルトさんは私が知る限り、休みの日はほぼ毎日イラリオさんの元を訪ねてくる。

「仲良しというか、生存確認です。放っておくと、何もできませんから」
「なるほどっ!」

 申し訳ないけれど納得してしまった。イラリオさんの生活力のなさを知っていたら、誰だって心配になると思う。

「イラリオはこれまで何もかもやってもらえる環境にいたから、できないのはやむを得ない部分はあるんです。使用人を雇うことも薦めたのですが、不必要に自分に近い人間を作りたくないようですね。だから、私が様子を見に来ているんですよ」
「……それって、もしかしてイラリオさんが〝殿下〟って呼ばれていたことに関係があります?」

 ロベルトさんは僅かに目を見開く。

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