絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
以前、聖女光臨の儀で知り合ったメアリ様は侯爵令嬢にもかかわらずイラリオさんのことを『イラリオ様』と呼んでいた。つまり、イラリオさんは侯爵令嬢から見ても敬称を付けられるような立場にあるということだ。
それに、イラリオさんは神聖力がとても強く精霊の気配を感じることができる。それなのに、イラリオさんは『俺は貴族じゃない』と私に言った。貴族の血筋でも聖職者の血筋でもない人が高い神聖力を持つことはとても珍しい。まあ、たまに私みたいな例外もいるけれど。
そして極めつけのことがひとつ。ブルノ大司教に聖石を返した日、ブルノ大司教はイラリオさんのことを『殿下』と呼んでいた。
これらのことを総合的に考えると、考えられる可能性はひとつだ。それは、イラリオさん自身が王族であるということ。
私がそれを話すと、ロベルトさんは苦笑する。
「ご明察です。まだ小さいのに、鋭い洞察力で驚きました」
そして、ふうっと息を吐く。
「エリーちゃんの予想通り、イラリオは現国王であるカスペル陛下の弟です」
(弟……?)
私は聖女光臨の儀の際に見かけた国王陛下の顔を思い浮かべる。正確な年齢はわからないけれど、四十歳は過ぎていそうに見えたけど……?
それに、イラリオさんは神聖力がとても強く精霊の気配を感じることができる。それなのに、イラリオさんは『俺は貴族じゃない』と私に言った。貴族の血筋でも聖職者の血筋でもない人が高い神聖力を持つことはとても珍しい。まあ、たまに私みたいな例外もいるけれど。
そして極めつけのことがひとつ。ブルノ大司教に聖石を返した日、ブルノ大司教はイラリオさんのことを『殿下』と呼んでいた。
これらのことを総合的に考えると、考えられる可能性はひとつだ。それは、イラリオさん自身が王族であるということ。
私がそれを話すと、ロベルトさんは苦笑する。
「ご明察です。まだ小さいのに、鋭い洞察力で驚きました」
そして、ふうっと息を吐く。
「エリーちゃんの予想通り、イラリオは現国王であるカスペル陛下の弟です」
(弟……?)
私は聖女光臨の儀の際に見かけた国王陛下の顔を思い浮かべる。正確な年齢はわからないけれど、四十歳は過ぎていそうに見えたけど……?