絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
 ロベルトさんは意外そうに目を瞬いた。そのとき、私達の会話を聞いていた女性が口を開く。

「ちょっと待っておくれ。この子は、いつも団長さんが仕事している間ずっと、ひとりで休憩室で待っているのかい?」
「ひとりのときもあるけれど、休憩中の団員さんとお喋りしながら待っているわ」

 ロベルトさんが返事する前に、私が答える。
 すると、女性はわずかに眉を寄せた。

「昼から夕方までずっと?」
「うん。そういう日もあるかな?」

 女性は腕を組むと、何かを考えるように黙り込んだ。そして、ちょうど作業台に乗せられていた乾燥した葉を手に取る。

「これは何かわかるかい?」
「センナの葉かしら?」

 私は差し出された乾燥薬草を見て答える。

「じゃあ、こっちは?」
「うーん。甘露の実」

 その後も女性はいくつか私に質問してきたので、私はそれを全て答えた。

「これは本当に、大したもんだね」

 女性は感心したように唸る。
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