絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
「うん。それ、お肉屋さんが今日のおすすめって──」

 褒められた嬉しくなってしまい、ついつい本日のおすすめ品を買えたことを話してしまう。ちなみにお金は夕食の買い物などに必要だからとイラリオさんが一定額を持たせてくれている。

「へえ、よかったな。エリーは買い物上手でもあるんだな」
「えへへ」

 照れ隠しに頬を掻いていてはっと気付く。

(そうじゃなくって、昼間のこと聞くんだった!)

「ねえ、レオ。今日のお昼に何を運んでいたの?」
「今日の昼?」
「うん。アルマ薬店でお手伝いしているときに見かけたの。たくさんの人達で協力して、何か大きいものを運んでいたわ。イラリオさんが先導しているように見えたんだけど……」
「ああ、あれか」

 イラリオさんはフォークを静かに皿に置く。

「アメイリの森で傷ついた聖獣を見つけたんだ。自力で歩くのが困難になっていたから保護したんだが、あれはもうだめかもしれない」
「聖獣を?」

 アメイリの森にはたくさんの聖獣がいると聞いたことがある。ただ、そんなアメイリの森であっても、聖獣は極めて貴重な生き物だ。神聖力を持っており、神聖な存在だ。
< 131 / 312 >

この作品をシェア

pagetop