絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
「あのっ、カミラさん!」
「会いに行きたいんだろ? いいよ、行っておいで」
カミラさんはすぐに私の気持ちを察したようで、片手を上げる。
「ありがとう! お兄さんも、教えてくれてありがとう!」
それだけ言うと、私は走って獣舎へと向かったのだった。
私が獣舎に到着したとき、聖獣は大きな体は地面に預けたまま、上半身だけを起こした楽な格好をしていた。
(うわああ、綺麗……)
起きている聖獣の姿をここで見るのは初めてだ。私の足音に気付いたのか、聖獣が頭をこちらに向ける。
しっかりと見える瞳は、あの日と同じく金色に煌めいていた。まるでこちらの心を見透かすかのようなまっすぐな眼差しに、自然と背筋が伸びる。
「こんにちは」
私はおずおずと聖獣へと近づく。
自分の体よりずっと大きいけれど、不思議と恐怖心はなかった。今日もイリスが聖獣の近くにいたお陰もあるかもしれない。
「久しぶりだな」
低く落ち着いた声が聞こえて、私ははっとする。周囲を見回したけれど、自分以外には誰もいなかった。
イリスはいるけれど、声もしゃべり方も違う。つまり、この声は聖獣のものだ。
「会いに行きたいんだろ? いいよ、行っておいで」
カミラさんはすぐに私の気持ちを察したようで、片手を上げる。
「ありがとう! お兄さんも、教えてくれてありがとう!」
それだけ言うと、私は走って獣舎へと向かったのだった。
私が獣舎に到着したとき、聖獣は大きな体は地面に預けたまま、上半身だけを起こした楽な格好をしていた。
(うわああ、綺麗……)
起きている聖獣の姿をここで見るのは初めてだ。私の足音に気付いたのか、聖獣が頭をこちらに向ける。
しっかりと見える瞳は、あの日と同じく金色に煌めいていた。まるでこちらの心を見透かすかのようなまっすぐな眼差しに、自然と背筋が伸びる。
「こんにちは」
私はおずおずと聖獣へと近づく。
自分の体よりずっと大きいけれど、不思議と恐怖心はなかった。今日もイリスが聖獣の近くにいたお陰もあるかもしれない。
「久しぶりだな」
低く落ち着いた声が聞こえて、私ははっとする。周囲を見回したけれど、自分以外には誰もいなかった。
イリスはいるけれど、声もしゃべり方も違う。つまり、この声は聖獣のものだ。