絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
「なぜお前はまだその姿をしている? 戻ることを望めば、戻れるのに」

 はっきりとそう聞こえた。

「あなたは私を助けてくれた聖獣さん?」

 そうに違いないと既に確信しているけれど、念のため聖獣自身に確認する。

「そうだ」

 聖獣は頷く。

(やっぱり!)

 思いがけない再会への喜びと、命の恩人が助かってくれたことへの安堵の気持ちが込み上げる。

「あのときはありがとう」
「礼には及ばない」

 聖獣は一言、そう言った。

「なんで私を助けてくれたの?」

「お前を助けてほしいと、守護聖獣が助けを求めた。それで、俺が行くことになった」

 聖獣の白いひげが揺れる。

(守護聖獣? 守護聖獣って何かしら?)

 聞いたことがない言葉だった。
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