絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
 私は特製絆創膏を五枚、その若い聖騎士に手渡す。聖騎士のお兄さんは「ありがとう」と言って聖騎士団の事務所へと戻っていった。

「あっという間に売れたねえ」

 カミラさんは空っぽになったトレーを見て目を丸くする。
 私は今日、全部で三十枚の特製絆創膏を作ったのだけれど全て売れてしまった。

「そうですね。みなさんのお役に立つといいんですけど」

 明日からは何枚作ればいいかなーと考える。今日は初日で物珍しさから買ってくれた部分もあるだろうから、明日以降は一日五十枚くらいあれば足りるかな?
 そんなことを呑気に考えていた私は、数日後にはびっくり仰天することになる。
 なんと、特製絆創膏を買いたいという人達が次から次へと押し寄せてきたのだ。

「家で怪我をしたときに主人がくれたの。そうしたら、あっという間に治ったわ」
「使うのが簡単だから、不器用な自分でも上手く使えたよ。しかも、効き目も抜群だ」
「隣の人が使っているのを見たの。珍しいから是非使ってみたいと思って」

 口コミ、というのだろうか。
 使っていいと思った人が買いに来るだけでなく、それを使っている人を見かけた人が評判を聞いて新たに買いに来る。芋づる式にお客さんが増えていって、あっという間に大評判になったのだ。

「エリー、すごいじゃないか」
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