絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
 それを聞いてほっとした。
 聖女光臨の儀のとき、私は確かに神様の声を聞いた。それは嘘じゃない。
 だから、もしも聖女様が未だに決まらずにいて、そのせいで瘴気が濃くなっているならば自分のせいかもしれないと思ったのだ。

(新しい聖女様が決まったなら、よかった)

 でも、そうなると私が聞いたあの声は何だったのだろう?
 あの人達が言う通り、聞き間違いだった?

(チェキーナ大聖堂が推薦した方か……)

 聖女光臨の儀の日、あの場にいた自分以外の四人の令嬢を思い浮かべる。

(メアリ様以外は殆ど喋る機会がなかったけれど、どんな人だったっけ?)

 確か、最初に礼拝をした方だった気がする。赤味を帯びた金髪が印象的な──。
 確かにあの四人の中では一番はっきりとした精霊の祝福があった。

< 186 / 312 >

この作品をシェア

pagetop