絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
「聖女といえば、お姉さんの件は残念でしたね。まだ若いのに」
「あ、はい……」
考え事をしていたら、ブルノ大司教に声をかけられた。同情するような視線を向けられ、私は口ごもる。
アリシアは光臨の儀とときを同じくして病死したことになっている。さすがに『偽聖女の疑いをかけられて処刑されそうになった挙げ句、調薬ミスの事故で亡くなった』とはイラリオさんも言いづらかったようだ。
「アリエッタは聖女候補の妹なだけあって、とても神聖力が強いですね」
「そうでしょうか?」
開け放たれた大聖堂の入り口から爽やかな風が流れてきた。
風の精霊達がふわりふわりとあたりを舞って遊んでいる。その姿を眺めていると、ブルノ大司教も気付いたようで精霊達を見て目を細めた。
「ああ。アリエッタほどの神聖力の強さを持った人間を、私は他に知らないよ。アリエッタほどではないけれど、他にひとりだけとても強い子はいたけれどね」
「他にひとり?」
「ずっと昔のことだ。マノアはよく私と一緒に祈りを捧げ、瘴気が広がるのを食い止めるのを手伝ってくれた」
「あ、はい……」
考え事をしていたら、ブルノ大司教に声をかけられた。同情するような視線を向けられ、私は口ごもる。
アリシアは光臨の儀とときを同じくして病死したことになっている。さすがに『偽聖女の疑いをかけられて処刑されそうになった挙げ句、調薬ミスの事故で亡くなった』とはイラリオさんも言いづらかったようだ。
「アリエッタは聖女候補の妹なだけあって、とても神聖力が強いですね」
「そうでしょうか?」
開け放たれた大聖堂の入り口から爽やかな風が流れてきた。
風の精霊達がふわりふわりとあたりを舞って遊んでいる。その姿を眺めていると、ブルノ大司教も気付いたようで精霊達を見て目を細めた。
「ああ。アリエッタほどの神聖力の強さを持った人間を、私は他に知らないよ。アリエッタほどではないけれど、他にひとりだけとても強い子はいたけれどね」
「他にひとり?」
「ずっと昔のことだ。マノアはよく私と一緒に祈りを捧げ、瘴気が広がるのを食い止めるのを手伝ってくれた」