絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
私は驚いて目を見開く。〝マノア〟は間違いなく、亡くなった私の母の名だ。
「ブルノ様、私のお母さんのこと、よく覚えている?」
「もちろんです。神託を受けたときにそんな気はしていたのですよ。マノアの娘もアリシアという名前だった。ただ、確信があったわけではありませんでした。でも、アリエッタを見た瞬間、すぐにわかりました。マノアの小さい頃によく似ている。ああ、この子はあの子の娘だと」
「そっか」
遥か前方にある祭壇を見つめる。
(お母さん、ここでお祈りしていたの?)
知らなかった事実に、ずっと昔に亡くなった母の記憶が脳裏に甦ってツーンと目の奥が痛むのを感じた。
「お母さん、どんな人だった?」
「優しくて愛らしい娘でしたよ」
「ブルノ様は私のお父さんのことも知っている?」
「いいえ」
ブルノ様は首を横に振る。
「マノアが愛した相手のことは誰も知りません。絶対に誰にも話しませんでした。彼女はよく『彼に会いに行く』と言ってひとりで出かけていました。どうやらアメイリの森のほうに行っていたようです」
「アメイリの森?」
そこからわかることは、お母さんはお父さんの素性を周囲に隠していた。そして、アメイリの森でふたりはデートをしていたということだ。
「ブルノ様、私のお母さんのこと、よく覚えている?」
「もちろんです。神託を受けたときにそんな気はしていたのですよ。マノアの娘もアリシアという名前だった。ただ、確信があったわけではありませんでした。でも、アリエッタを見た瞬間、すぐにわかりました。マノアの小さい頃によく似ている。ああ、この子はあの子の娘だと」
「そっか」
遥か前方にある祭壇を見つめる。
(お母さん、ここでお祈りしていたの?)
知らなかった事実に、ずっと昔に亡くなった母の記憶が脳裏に甦ってツーンと目の奥が痛むのを感じた。
「お母さん、どんな人だった?」
「優しくて愛らしい娘でしたよ」
「ブルノ様は私のお父さんのことも知っている?」
「いいえ」
ブルノ様は首を横に振る。
「マノアが愛した相手のことは誰も知りません。絶対に誰にも話しませんでした。彼女はよく『彼に会いに行く』と言ってひとりで出かけていました。どうやらアメイリの森のほうに行っていたようです」
「アメイリの森?」
そこからわかることは、お母さんはお父さんの素性を周囲に隠していた。そして、アメイリの森でふたりはデートをしていたということだ。