絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
 ふと、リストの中のひとりに目を留める。

【アリシア=エスコベド。十八歳】

 住んでいるのは、ここから十キロ程の距離にある郊外の地域だった。

(どうせだめだろうが、行くだけ行ってみるか)

 そんな半ば諦めにも近い気持ちで、俺は馬に跨がった。



 向かった先にあったのは、小さな民家だった。町外れの森の入り口近くに、一軒だけぽつんと建っている。
 木造の建物は年季が入っており、日に焼けて木の色がだいぶ変色していた。玄関の上には、古びた木製の看板がぶら下がっており、そこには薬草が描かれている。

 民家の周りをぐるりと一周してみると、軒先にも紐で結んだ薬草がたくさんぶら下げられていた。保管するために干している最中なのだろう。

(薬屋の娘なのか?)

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