絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
 私とブルノ様は並んで祭壇の前に立つ。

(どうか、この平穏がいつまでも続きますように)

 祈りを捧げるのと同時に、無数の光が辺りに舞い散る。ブルノ大司教はその光を見つめ、嬉しそうに顔を綻ばせた。



 その帰り道。
 セローナ大聖堂からアルマ薬店へ戻る道中、私は一軒の店の軒先に並べられた物に目を留めた。

「わあ、可愛い」

 それは、様々な色や形をした髪飾りだった。小さなリボンや果物を模したもの、小枝に小鳥が止まっている絵柄などデザインは様々だ。行きには気が付かなかったので、きっと私がセローナ大聖堂にいる間に並べられたのだろう。

 裏返して値札を見ると、思ったよりもずっと良心的な値段が書かれていた。むしろ安い気がする。
 それを見ていたら、ふと閃いた。

「そうだ!」

 これを、イリスやザクリーンに付けてあげたらどうだろう。イリスの黒い毛や、ザクリーンの白銀の毛によく似合いそうな気がする。

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