絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
「美味しいー」

 がぶりと齧り付いた私は、その美味しさに頬に片手を当てる。美味しそうなハムを見つけて昨日買っておいたのだけれど、大正解だった。

[美味しいの?]

 ガーネが興味深げにサンドイッチを眺めるので、端っこを千切って分けてあげた。

[本当だ。美味しいー]

 嬉しそうに食べているのを見ると、こっちまで嬉しくなる。

(イラリオさんも今頃食べているかな?)

 今日は自分のお弁当を作るついでにイラリオさんにもお弁当を作ってあげた。気に入ってくれるといいのだけど。

 そのとき、どこからかちょろちょろと音が聞こえてくるのに気付いた。

(これは水音? そういえば、遊歩道は川沿いにあるって言っていたっけ?)

 背の高い木が至るところに生えているせいで、ここからは川が見えなかった。けれど、音がするのだからすぐ近くを水が流れているのだろう。

「ちょっと見に行ってみようかな」
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