絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
いつの間にガーネとベラまで遊びに来て、家の中がにわかに賑やかになる。
「ねー、イリス。みんなでかくれんぼしよう」
「いやにゃん。寝るにゃ」
「だめー。やるの!」
アリエッタはイリスを食器棚から下ろそうとしたが、その前にイリスは忽然と姿を消す。きっと、転移でどっかに逃げたのだろう。
「あー、逃げた!」
[イリスを探そうー]
[探そう、探そうー]
精霊達がきゃっきゃとはしゃぐ。部屋の片隅に寝そべるザグリーンはうるさくて敵わないと言いたげに、片目を開けて様子を窺っていた。
(エリーが来てからというもの、本当に賑やかだな)
少し前には考えられなかった生活だが、こんな暮らしも悪くない。
笑顔を振りまきながら遊ぶ精霊達エリー達の様子を見守りながら、俺は口元を緩めたのだった。