絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
第2話
■ 第2話
家に着くと、私は早速ザグリーンにそのことを聞いた。
「ねえ、リーン。ちょっと聞いていい?」
「なんだ?」
「今日、リーンは『通常の回復薬では無理だ』って言っていたけれど、裏を返せばブルノ様の症状を治す薬も存在するってことよね? 神聖力を付与できるような薬草ってあるの? そのっ、ブルノ様を助けたいと思って」
私が必死で訴えると、ザグリーンは暫く考えるように黙り込み、やがてゆっくりと口を開いた。
「アメイリの森に、世界樹があるのは知っているか?」
「世界樹……?」
私は首を横に振る。世界樹なんて、一度も聞いたことがなかった。
「この世界の神聖力の源と言われている樹だよ。精霊神の化身とも言われ、アメイリの森にあると言い伝わっているが、その樹を見たことがある者は誰もいない」
いつの間に部屋に来たのか、イラリオさんがそう補足した。ホットミルクを作ってくれたようで、マグカップをふたつテーブルに置く。
「あれは伝説だと思っていたんだが、本当にあるのか?」
イラリオさんはザグリーンに尋ねる。
「無論だ」
リーンは頷いた。
家に着くと、私は早速ザグリーンにそのことを聞いた。
「ねえ、リーン。ちょっと聞いていい?」
「なんだ?」
「今日、リーンは『通常の回復薬では無理だ』って言っていたけれど、裏を返せばブルノ様の症状を治す薬も存在するってことよね? 神聖力を付与できるような薬草ってあるの? そのっ、ブルノ様を助けたいと思って」
私が必死で訴えると、ザグリーンは暫く考えるように黙り込み、やがてゆっくりと口を開いた。
「アメイリの森に、世界樹があるのは知っているか?」
「世界樹……?」
私は首を横に振る。世界樹なんて、一度も聞いたことがなかった。
「この世界の神聖力の源と言われている樹だよ。精霊神の化身とも言われ、アメイリの森にあると言い伝わっているが、その樹を見たことがある者は誰もいない」
いつの間に部屋に来たのか、イラリオさんがそう補足した。ホットミルクを作ってくれたようで、マグカップをふたつテーブルに置く。
「あれは伝説だと思っていたんだが、本当にあるのか?」
イラリオさんはザグリーンに尋ねる。
「無論だ」
リーンは頷いた。