絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
 リアと名乗ったその精霊は、目をぱちぱちさせてこちらを見つめた。

「私の顔に何か付いている?」

 じっと見つめられて、私は不思議に思った。

[ううん]

 リアは首を横に振る。

[僕、人間の姿をした聖獣って初めて会ったから珍しくって]

 それを聞いて、私は目を瞬かせる。
 人間の姿をした聖獣?

(あ、もしかして!)

 聖獣のザグリーンとイリスと共に行動しているせいで、私まで聖獣だと勘違いされているのかな?
 私は慌てて手を胸の前で振った。

「違う違う。私は聖獣じゃないわ」
[え、そうなの?]

 光の精霊はきょとんとした表情で私に聞き返す。やっぱり、私のことを聖獣だと勘違いしていたようだ。

「そうだよ。私は普通の人間」
[なーんだ。人間の姿をした聖獣かと思った]

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