絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
(あれが聖獣? イリスとは随分と見た目が違うのね)
私は改めて天井を見上げる。
そこに描かれている大きな動物は、見たこともないような姿をしていた。真っ白なオオカミのようにも見えるけれど、体の大きさが聖騎士の身長ほどもある。そして、そのお尻からは三本の尻尾が生えていた。一目見て、普通の動物ではないとわかる。
そのまま足を進めてゆくと、前方に何人かの人がいるのが見えた。男性と女性両方いる。女性達は、先日顔を合わせた聖女候補達だ。その中にはメアリ様もいて、目が合うとにこりと会釈してくれた。
男性は格好から判断するに、中央にいるのは国王陛下、その横にいるのが王太子殿下、そして周囲に並んでいるのが司教だろう。
イラリオさんはその列に並ぼうと近づいたが、それを制止したのは国王陛下だった。
「ここに並んでよいのは、王家の直系と聖職者のみだ」
辺りにピンと張り詰めた空気が流れる。
「父上、しかし──」
国王陛下の隣にいた、恐らく王太子殿下と思しき男性が国王陛下に抗議するように声を上げる。しかし、それを止めたのはイラリオさん自身だった。
私は改めて天井を見上げる。
そこに描かれている大きな動物は、見たこともないような姿をしていた。真っ白なオオカミのようにも見えるけれど、体の大きさが聖騎士の身長ほどもある。そして、そのお尻からは三本の尻尾が生えていた。一目見て、普通の動物ではないとわかる。
そのまま足を進めてゆくと、前方に何人かの人がいるのが見えた。男性と女性両方いる。女性達は、先日顔を合わせた聖女候補達だ。その中にはメアリ様もいて、目が合うとにこりと会釈してくれた。
男性は格好から判断するに、中央にいるのは国王陛下、その横にいるのが王太子殿下、そして周囲に並んでいるのが司教だろう。
イラリオさんはその列に並ぼうと近づいたが、それを制止したのは国王陛下だった。
「ここに並んでよいのは、王家の直系と聖職者のみだ」
辺りにピンと張り詰めた空気が流れる。
「父上、しかし──」
国王陛下の隣にいた、恐らく王太子殿下と思しき男性が国王陛下に抗議するように声を上げる。しかし、それを止めたのはイラリオさん自身だった。