絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
◇ ◇ ◇
ことの発端は、二カ月ほど前のことだった。
町外れの森の近くで薬師として細々と生計を立てている私──アリシア=エスコベドは、いつものように森に薬の材料を集めに行っていた。
「今日もたくさん見つかったわ。イリスやみんなのお陰ね、ありがとう」
右手に持つ籠の中身を確認し、口元を綻ばせる。
籠には溢れそうな程にたくさんの薬草類が入っていた。
二時間ほど森の中を歩き回り、蜘蛛の糸から幻想茸まで色んな種類の薬の原料を採ることができた。予想以上の収穫に、大満足だ。
「どういたしましてにゃ」
イリスは長い尻尾をゆったりと揺らして返事をする。
[よかったね、アリシア]
「うん、みんなが探すのを手伝ってくれたお陰だね」
[僕達役に立った?]
「それはもう、大助かり!」
[わーい。わーい]
私の周囲を柔らかな黄緑色の光と共に、可愛らしい子供達が舞う。彼らは風の精霊で、こうして風に乗ってはふわりふわりと宙を漂うのだ。
ことの発端は、二カ月ほど前のことだった。
町外れの森の近くで薬師として細々と生計を立てている私──アリシア=エスコベドは、いつものように森に薬の材料を集めに行っていた。
「今日もたくさん見つかったわ。イリスやみんなのお陰ね、ありがとう」
右手に持つ籠の中身を確認し、口元を綻ばせる。
籠には溢れそうな程にたくさんの薬草類が入っていた。
二時間ほど森の中を歩き回り、蜘蛛の糸から幻想茸まで色んな種類の薬の原料を採ることができた。予想以上の収穫に、大満足だ。
「どういたしましてにゃ」
イリスは長い尻尾をゆったりと揺らして返事をする。
[よかったね、アリシア]
「うん、みんなが探すのを手伝ってくれたお陰だね」
[僕達役に立った?]
「それはもう、大助かり!」
[わーい。わーい]
私の周囲を柔らかな黄緑色の光と共に、可愛らしい子供達が舞う。彼らは風の精霊で、こうして風に乗ってはふわりふわりと宙を漂うのだ。