絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
「では、お前は一週間以内にその〝エリクサー〟とやらを作ってみろ。作れたら無罪、できなければ国を欺き混乱に陥れようとした罪で死刑だ」

 私はひゅっと息を呑む。

(死刑? 死刑って言ったの?)

「父上、それはさすがに──」
「陛下、エリクサーとは伝説の──」

 行きすぎだと感じたヴィラム殿下や司教のひとりが口を挟もうとする。しかし、国王陛下は冷ややかな視線と共に、口出ししようとした司教に豪華な剣の刃先を突き付けた。

「黙れ。それとも、お前も共謀者か?」

 その場がシーンと静まりかえった。

(どうしよう)

 想像すらしなかった急展開に、恐怖で体が震える。
 ついさっきまでは、聖女に選ばれる人の神託はどんなに素敵な景色なんだろう?なんて、呑気に考えていた。これが終わればすぐに家に帰れると思っていたのに、こんなことになるなんて。

「お願いです、ちょっとだけ待ってください。まずはイラリオさんに──」
「それは許可できない。イラリオに相談して何か悪さを企む恐れがあるからな。接触は厳禁だ」

 国王陛下は冷たく言い放つと、氷のように冷たい視線を私に向けたのだった。
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