絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!

第5話

    ◇ ◇ ◇

「明日でちょうど一週間か……」

 私は先ほど調合した薬の残骸を、半ば諦めの気持ちで見つめた。
 自分で言うのもなんだけど、薬師としての腕はいいほうだと思う。私の作る薬はよく効くと、町でも評判だった。その知識を総動員して調合したけれど、エリクサーはできていない。
 残るチャンスはせいぜいあと一回。そこで時間切れだ。

(なんでこんなことに)

 この一週間、何度したかわからない問いを自分の中で投げかける。
 絶望から、目から涙がこぼれ落ちそうになった。

[アリシア、どうしたの?]

 周囲をふわりふわりと光が舞い、精霊達が心配そうに顔を覗き込んでくる。

[アリシア、悲しいの?]
[泣かないで]

 他の精霊達もいつの間にか集まってきて、周囲に集まっていた。

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