絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
 一方の聖獣は、私の握りしめているエリクサーへと鼻を寄せた。

「これではエリクサーは作れぬ」

 そして、私の顔を見つめる。

「話はイリスから聞いた。そうだな……、お前は一時的に保護を得られる別の人間になればいい」
「別の人間?」

 意味がわからない。何の話をしているのかと聞き返そうとした次の瞬間、手に持っていた作りかけのエリクサーから目映い光が発せられた。

(な、何?)

 眩しすぎて目が開けられない。
 私はぎゅっと目を瞑る。そして、そのまま意識を手放した。


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