絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
「俺はセローナ地区で聖騎士団の団長をしている、イラリオ=カミーユだ。早速だけれど、これに触れて見てもらっても?」
「セローナ地区の聖騎士団?」
私が住んでいるここ、アリスベン王国は国全体が五つの地区に分かれている。
王都のある中央地区チェキーナ、温暖な南部地区カルーナ、海に繋がる東部地区リラーナ、国内第二位の商業都市があるベローナ、そして広大な森林を擁する北部地区セローナだ。
そして今私がいるのは中央地区チェキーナで、セローナからは随分と離れている。
(セローナ地区の、それも聖騎士団の団長様が私に何の用?)
イラリオと名乗った男性が差し出した手を覗き込むと、それは石の置き物のように見えた。ちょうど手のひらに載るサイズで六角形をしており、中央に花の紋章のようなものが入っていた。
(? なんだろ、これ)
初めて見る物に、私は眉根を寄せる。
「何ですか、これ?」
[あー。これはねー、聖石だよ]
私の周囲を飛んでいた風の精霊のひとり──ベラがそういうのが聞こえた。
「セローナ地区の聖騎士団?」
私が住んでいるここ、アリスベン王国は国全体が五つの地区に分かれている。
王都のある中央地区チェキーナ、温暖な南部地区カルーナ、海に繋がる東部地区リラーナ、国内第二位の商業都市があるベローナ、そして広大な森林を擁する北部地区セローナだ。
そして今私がいるのは中央地区チェキーナで、セローナからは随分と離れている。
(セローナ地区の、それも聖騎士団の団長様が私に何の用?)
イラリオと名乗った男性が差し出した手を覗き込むと、それは石の置き物のように見えた。ちょうど手のひらに載るサイズで六角形をしており、中央に花の紋章のようなものが入っていた。
(? なんだろ、これ)
初めて見る物に、私は眉根を寄せる。
「何ですか、これ?」
[あー。これはねー、聖石だよ]
私の周囲を飛んでいた風の精霊のひとり──ベラがそういうのが聞こえた。