絶体絶命の聖女候補、幼女薬師になってもふもふと聖騎士団をお助けします!
「聖石?」

 聖石って何?
 無意識にその聞き慣れない単語を口に出すと、イラリオさんは少し驚いたように目を瞠る。

「よくこれが聖石だってわかったな。まだ何も話していないのに」
「え?」

 しまった。精霊の言葉は普通の人には聞こえない。

「なんとなくそんな気がして。あははっ」

 慌ててその場を誤魔化す。

「大当たりだ。その様子なら、説明するまでもないかな。俺がここまで来た用事はこれ。アリシアにこれに触れてほしいんだ」

 イラリオさんは片手に持ったその石を私に見せるようにさらに差し出すと、先ほどと同じ言葉を繰り返す。

(説明する必要は大ありよ。聖石って何?)
< 8 / 312 >

この作品をシェア

pagetop