海と空の狭間で……
返すべき言葉が見つからない__


「……」
「やっぱ、ヤクザなんて嫌だよな……」


そう言ったお兄ちゃんの表情は悲しそうに見えた。


「て、事で空の正体はヤクザだから諦めろ」


空がヤクザ?


そんな訳ない__


大体、空は高校生じゃないか。


高校生でヤクザなんて有り得ない!!


これは、私に空を諦めさせる為の嘘。


「嘘ばかり……」
「本当だ」


そう答えたお兄ちゃんの目は嘘を付いているようには見えない。
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