海と空の狭間で……
空は気が短いだなんて言っていたが、そんな風には見えない。


「ここに居たら、海さんに見つかりそうだから近くの公園に移動しない?」


そう言ってきた空の表情は、餌をねだる子犬みたいで可愛い。


それが愛おしくて、クスッとわらってしまった。


「ん?いきなり笑ってどうしたの?」
「なんだか、空が子犬みたいで可愛くて!」


空のほっぺがプクーっと膨れる。


「可愛いって……。俺、男だよ?」
「なんか、子犬みたいなんだもん」


考え込む空。


「えー!!
俺って、あんなん!?」
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