海と空の狭間で……
「ねえ……。
私の心音うるさくないかな?」
「俺の心臓の方がうるさいから大丈夫だよ」


それって__


「空も、緊張しているの?」
「めちゃくちゃ!」


そう言いながらも、余裕の笑みを浮かべる空は緊張しているようには見えない。


隣に座って手を繋ぐ__


それだけで、余裕が1ミリも無くなってしまう。


自分の心臓音を聞き続けて、どれくらいの時間が過ぎたか分からない。


ただ、チャイムが鳴ったと同時に離れた手。


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