海と空の狭間で……
そう信じて、疑わなかったから__


しかし、その瞬間にお兄ちゃんの表情がガラリと変わった。


「父親?」
「え、う、うん」
「違うよ!
俺は、アスナが好きなだけ__」


ん?

それは、父親としてじゃなくて兄として?


「そっかぁ!!」
「アスナ。
絶対、理解していない」


どういう事だろう。


「何が?」
「俺がアスナを好きって、意味」


そう言われて思い出したのは、空の言葉。


女として見ている__


まさかね。


そんな事は無い__


そう言い聞かせたが、真実が気になってしまう。
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