海と空の狭間で……
そんな私の目元に伸びる、空の指先。


「大丈夫だよ!


帰りは迎えを呼ぶから!!
もうバイクには絶対に乗らないから、泣かないで__」


空の指先に触れる水分。


怖すぎて、声も出せずに泣いていた。


でも、もうバイクに乗らないで良いんだと分かると安心の溜息が漏れる。


「本当にごめん。
アスナの事が怖がっている事にも気付かなくて……」
「大丈夫、大丈夫!!」


だって、それは仕方の無い事だ。
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