海と空の狭間で……
「もし、空がアスナの事を泣かせるような事があったらすぐに俺に言えよ……」


今はそんなビジョンは浮かばない。


ただ、お兄ちゃんは本当に私が大事だから、こんな風に言ってくれるのだろう。


「うん……」


お兄ちゃんが笑い、私の髪を撫でる。


「幸せになれよ」


その笑顔は切なそうで、胸がキリキリと締め付けられた。


「うん」
「て、空は準備出来たのか?」
「あ、見てくるね……」


急いで空の部屋に向かうと、扉を軽くノックする。
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