【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
どういうこと……?
「ていうか、向こうから言ってきたんだけど。わたしと結婚したいって」
「え、奥野さんから?」
「そうよ。彼女と別れるから俺と結婚しようって言ってきたのは、奥野の方なんだけど」
そう言われたわたしは、一瞬訳が分からなくなった。
「どういうこと……?」
「どういうことって言われても……。そんなのわたしが聞きたいんだけど。 ていうかわたし、なんか疑われてる訳?」
そう言ってきた彼女は「冗談じゃないわよ。わたしは人を殺したりなんてしないから」と更に言葉を続けてきた。
「でもあなた、奥野さんの交際相手である中山和美さんを脅すようなことを、奥野さんに言ってたんでしょ? そう聞いたけど」
「はあ?何よそれっ!わたしそんなことしてないわよ! そもそもわたし、奥野と交際なんてしてないんだけど」
「え? 交際してない?」
どういうこと? 一体、何がどうなってるの……?
「奥野が勝手に交際してると勘違いしてただけよ。……わたしは別に、そんなつもりなかったしね」
「え、では交際してなかったんですか?」
「してないわよ!する訳ないでしょ、あんな男」