【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
「交際してなかったってことは、浮気ではなかったってことだよな?」
「まぁ、そういうことになるけど……。ただ被害者の友人の矢野が言うには、伊藤綾香自身が被害者を脅してたって。 けど本人はそれを否定してる以上、どっちの証言が正しいのか、分からないままなんだよね」
どっちにしろ、どちらかがウソを付いていることに変わりはない。……けどわたしがその真実に辿り着くには、自分の足で捜査するしかない。
どれだけ現場に出向いても答えなんて出ない。だけど、やるしかないんだ。
「そうか……。大変そうだな」
「日向は?今どんな感じなの?」
とわたしが聞く日向は「どんな感じって言われてもな……。とりあえず容疑者の動きを見張ってるが、特に動きなしだ」と答えてご飯を目一杯頬張っていた。
「そっか……。そっちも進展なしか」
「ああ。明日も張り込みだ」
「そっか。頑張ろう、お互いに」
わたしたちは今違う事件を追っているため、別行動になっている。わたしは殺人事件で、日向は連続わいせつ事件。
それぞれ別行動になっているが、こうして家で会えるのはまぁ嬉しい。