【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
そしてそれから30分後、高野さんからわたしに連絡がきた。
「もしもし、高野さん? 今どこにいるんですか!?」
と言うと、高野さんは「ちょっと署に戻ってる。調べたいことがあって」と言ってきた。
「え?署にいるんですか?」
「ああ。お前もすぐに戻ってこい」
「え? あ、ちょっと、高野さん……!?」
それだけ言われ、電話が切れた。
「もうっ、高野さんったら……」
仕方ない。高野さんに戻れって言われたし、戻るか……。
わたしは急いで署に戻ると、高野さんと合流した。
「お疲れ様です。 あれ、高野さんは?」
門野さんにそう問いかけると、門野さんは「高野さんなら、資料室にいるぞ」と教えてくれた。
「資料室ですか? ありがとうございます」
わたしは急いで、署の倉庫にある資料室へと向かった。
「高野さん?いますか?」
「笹野か? ここだ」
声のする方に行くと、高野さんが何やら過去の事件の捜査資料を読んでいた。
「高野さん、なんで先に行っちゃうんですか?」
「お前に任せておけばいいかなって思ってな」
「……何読んでるんですか?」