【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
わたしは高野さんの隣に腰掛け、その捜査資料の一部を見た。
「あれ、これって……」
この捜査資料って、もしかして……。
「ああ。被害者が過去に起こしたっていう、傷害事件の捜査資料だ。 調べてみたら、残っていた」
と、高野さんは言っていた。
「どんな事件、だったんですか?」
「ん、読んでみろ」
高野さんは捜査資料を見せてくれた。
「はい」
その捜査資料にゆっくりと目を通していく。
「……なるほど。この傷害事件を起こしたのが、被害者ってことですね」
「そういうことだ。そして被害者と共にその傷害事件を起こしていたのが、当時母親が言っていたその不良グループの仲間ってことだ」
まさか今回の事件も、その仲間が関係しているってことなのかな……?
「高野さん。もしかしたら、何か分かるかもしれないですし。……。当時の仲間に、話を聞いた方がいいかもしれませんね」
「そうだな。……行ってみるか」
「はい。行ってみましょう」
わたしと高野さんは、当時の仲間に話を聞くため、彼らが住んでいると思われる家へと二手に分かれて話を聞きに行くことにした。