【完結】甘くて危険な恋の方程式〈捜査一課、女刑事の恋と事件の捜査ファイル〉
『迎えたエンディング』
その日の夜19時半頃。家に帰ると、日向はどうやらお風呂に入っているようだった。
バスルームの向かい側に見えるその日向のシルエットを見て、なんだかちょっとだけドキドキした。
「日向、ただいま」
「おう、つぼみ。帰って来たのか」
「うん」
日向はバスルームから「そうか。もうすぐ出来るから、もうちょっと待っててくれ」と伝えてきた。
「うん。ありがとう」
わたしは一旦部屋に戻ると、スーツから部屋着に着替え、縛っていた髪をほどいた。
「疲れた……。足パンパンだ」
今日も捜査で駆けずり回っていたから、足が浮腫んで痛くなる。
特に今日は現場から聞き込みまで、色々な所に行った。というか、行かされた。
門野さんよりも、高野さんの方がスパルタすぎる……。
「足、マッサージしようかな……」
軽くムギュッと揉んでみると、痛いと感じる。相当足浮腫んでるな、これは……。
「つぼみ?風呂出たぞ」
「あ、うん」
部屋から出ると、日向はタオルで髪の毛をゴシゴシと拭きながら冷蔵庫からキンキンに冷えたビールを取り出した。